2014年04月02日

労働者派遣法の「改正」に反対する声明

労働者派遣法の「改正」に反対する声明


2014年3月31日

反貧困ネットワークあいち


1 政府は、本年1月29日の労働政策審議会の建議に基づいて、3月11日に「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案」(以下「法律案」という)を閣議決定して、同日付で、通常国会に提出した。

  政府が提出した法律案は、現在の労働者派遣法が派遣期間制限について、専門26業務以外の一般業務については原則1年・最長3年と定めているのに対し、専門26業務と一般業務との区分を廃止し、派遣元との間で無期雇用されている派遣労働者については派遣期間制限を撤廃し、有期雇用されている派遣労働者については、派遣労働者個人単位では3年を上限としながら、派遣先が人を入れ替えれば無期限に派遣労働を利用することができるようにしようとしている。

  これでは、直接雇用の原則のもと、常用代替防止を原則とし、臨時的・一時的なものに限り労働者派遣を認めるという、労働者派遣法の建前を投げ捨て、企業が好きなように労働者派遣を利用することができることになってしまう。

2 反貧困ネットワークあいちは、2008年のリーマンショックに端を発する「派遣切り」の蔓延により、多くの労働者が仕事や住む場所を奪われるという事態に追い込まれたことに対し、愛知県内で貧困をなくすために活動している団体・個人が連携して「愛知派遣村実行委員会」などの活動を始めたことをきっかけに結成された団体である。

  私たちは、「派遣切り」に苦しむ人たちとともに活動したことを通じて、労働者が労務を提供する派遣先が直接使用者としての責任を負わない派遣労働においては、派遣労働者は景気の変動の影響を受けて物のように切り捨てられてしまうこと、派遣元も使用者としての責任を果たさず派遣労働者との契約を安易に解除すること、その結果、派遣労働者は生活の基盤である雇用の場をたやすく奪われるという極めて不安定な立場に置かれていることを痛感した。また、派遣労働者など非正規雇用労働者は、正社員に比して相対的に低賃金の状態に置かれており、ワーキングプアの温床となっていることも明らかとなった。

  したがって、日本で貧困をなくしていくためには、労働者派遣など非正規雇用で働く人々が、安定して人たるにふさわしい労働条件・労働環境の下で働けるようにすることが極めて重要であると主張してきた。

3 現状でも、正規雇用労働者は3294万人、非正規雇用労働者は1906万人となり、前年よりも正規雇用労働者は46万人減り、他方で、非正規雇用労働者は93万人増え、労働者の37パーセントを占めるに至っている(2013年)。

  今回政府が提出した法律案は、派遣労働をより拡大しようとするものであり、不安定・低賃金の雇用を原則的雇用形態として拡大し、日本における貧困をますます深刻にしていくものといわざるを得ない。

  反貧困ネットワークあいちは、日本から貧困をなくすために活動するという立場から、政府が提出した法律案に強く反対し、登録型派遣の禁止、派遣労働者の均等待遇、常用代替防止原則の貫徹、派遣業務の専門的分野への限定など、人間らしい労働と生活を確保するための抜本的な改正を行うよう求めるものである。

以 上

posted by 事務局 at 11:55| Comment(0) | 政策提言&施策活用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月31日

知事・市長候補者に対する公開質問の回答公表にあたって

みその慎一郎氏県(知事選候補)・石田よしひろ氏(市長選候補)回答.pdf
杉山均氏(名古屋市長選候補)回答.pdf
土井敏彦氏(愛知県知事選候補)回答.pdf
八田ひろ子氏(名古屋市長選候補).pdf
薬師寺みちよ氏(愛知県知事選候補).pdf
大村秀章氏(愛知県知事選候補).pdf

知事・市長候補者に対する公開質問の回答公表にあたって

反貧困ネットワークあいち

 「反貧困ネットワークあいち」は、愛知県内で様々な分野で社会的に弱い立場にあ
る人たちの権利を擁護するために活動している個人が、「貧困」を克服するための協
同を強めるために、2010年5月に結成したネットワークです。

1 全国の生活保護を受けている世帯が昨年9月時点で140万8407世帯だったことが
12月14日、厚生労働省のまとめで報告されています。前年同月比で約14万世帯増えて
おり過去最多を更新しており、一昨年12月に130万世帯を超えてから1年たたずに10
万世帯増えています。厚生労働省のまとめによると、生活保護費の負担が2009年度決
算で総額3兆円を超え、前年度より約3000億円増えたとされています。厚生労働省
は、就労・自立支援の強化、不正受給の防止策などを中心に生活保護法の改正を検討
し始めました。
  2008年9月のリーマン・ショック以降、失業者の受給が増加していますが、総務
省によると、2010年平均の完全失業率は5.1%(前年と同じ)で、過去3番目に悪い
水準です。同年平均の有効求人倍率は0.52倍で、過去最低を記録した2009年を0.05上
回っただけです。総務省統計局が昨年11月に発表した労働力調査によると、完全失業
者(336万人)のうち、失業期間が「3か月未満」は87万人と前年同期に比べ32万人減
少したのに対して、「3か月以上」は240万人と2万人増加しています。特に「1年以
上」は128万人と33万人増加しており(いずれも前年同期比)、1年以上の長期失業
者は失業者全体の4割近くに達します。
2 以上のように「貧困」状況が改善していない中、「反貧困ネットワークあいち」
は、今回の愛知県知事選挙、名古屋市長選挙において、「貧困」問題の克服のために
愛知県、名古屋市がどのような役割を果たすべきかについて充実した論戦が行われ、
県政、市政に反映されることを期待しています。
  そのような立場から、今回の愛知県知事選挙、名古屋市長選挙に立候補した候補
者に対し、「貧困」問題で喫緊の課題について、1月13日、質問書を送付しまし
た。回答期限を1月25日に設定し、回答がない候補へ催促したところ、愛知県知事
候補については重徳和彦氏を除いて4名から、名古屋市長候補については河村たかし
氏を除いて3名から回答がありました。
  質問書については、1月15日付で「反貧困ネットワークあいち」の以下のブロ
グで公表しており、回答についても、同ブログで公表します。
  http://hanhinkon-aichi.seesaa.net/
posted by あいちのネットワーカー at 12:45| Comment(0) | 政策提言&施策活用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月15日

愛知県知事選&名古屋市長選>候補者に質問状!

質問書 知事候補(確定版).doc
質問書 市長候補(確定版).doc
shitsumon-nagoya.rtf
shitsumon-aichi.rtf

反貧困ネットワークあいちの会員の皆さん

事務局からのお知らせです。

2月6日に愛知県知事選挙と名古屋市長選挙が行われます。

貧困問題の解決のために地方公共団体が果たすべき役割は大きなものがあり、今回の
選挙で各候補が貧困問題に関する政策を持ち、論戦が交わされることが望ましいと思
います。

そのような観点から、反貧困ネットワークあいちは、愛知県知事選、名古屋市長選挙
に立候補を予定している候補者に質問書を提出しました。
この質問書は諸課題部会で検討したうえで、幹事会の意見を求めて確定させました。
質問書を添付します。

25日までに回答するよう求めています。回答については、本ネットワークのHPなど
を通じて公開する予定です。
posted by あいちのネットワーカー at 19:53| Comment(0) | 政策提言&施策活用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月26日

【9.26】貧困ビジネスシンポ@愛知県岡崎のお知らせ

100926岡崎集会.pdf
9月26日、愛知県岡崎市において下記集会を開催します。
全国の状況の報告もあります。ぜひご参加ください。
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生活保護問題対策全国会議総会・設立3周年記念集会

「貧困ビジネス」を考える岡崎集会
   〜貧困ビジネスを生み出さない生活保護行政とは?〜
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 生活困窮者を劣悪な施設に囲い込み、生活保護費の大半を搾取する「貧困ビジネス」が全国的な社会問題となっています。
 なぜ、このような業者が跋扈するのでしょうか?
 その背景には、法律上原則とされている居宅保護(アパートでの生活保護)をホームレスの人々に対しては実施せず、貧困ビジネス業者を便利使いしてきた行政の姿勢があります。さらにその背景には、行政のコンプライアンス(法令遵守)意識や専門性の欠如や、ケースワーカー不足といった構造的な問題があります。
「貧困ビジネス」を生み出さない生活保護行政にするためには何が必要か。
みなさんと一緒に考えたいと思います。ぜひ、多数ご参加ください。

【日時】2010年9月26日(日)  集会13:30 〜17:00 (13:00開場)

【場所】 岡崎市民会館2階集合室1号室 (愛知県岡崎市六供町15番地1)

 岡崎市民会館へのアクセス
 電車 JR岡崎駅→名鉄バス乗車→名鉄東岡崎駅
 バス 名鉄バス名鉄東岡崎駅:名鉄バス2番線乗り場(中町循環除く)
    →篭田公園前(徒歩5 分)
 タクシー JR 岡崎駅から2,000円程度
      名鉄東岡崎駅から1,000円程度
 徒歩 名鉄東岡崎駅より北に約25分(2.4q)

【参加費】 弁護士・司法書士2,000円
      一般500円( 生活保護利用中の方は無料)

【プログラム】(敬称略)
○基調講演「貧困ビジネス」とは何か?(仮)
  藤田孝典(NPO ほっとポット代表理事、社会福祉士)
○各地からの実態報告
   愛知岡崎:船崎まみ(弁護士)/千葉:棗一郎(弁護士)
   東京:信木美穂(ホームレス総合相談ネットワーク事務局)  
   大阪:普門大輔(弁護士)
○パネルディスカッション
  コーディネーター山田壮志郎(日本福祉大学准教授)
  パネラー 藤田孝典(NPO ほっとポット代表理事、社会福祉士)
        藤井克彦(笹島診療所、反貧困ネットワークあいち共同代表) 
        小池直人(名古屋市生活保護ケースワーカー)
        阪田健夫(弁護士、日弁連貧困問題対策本部)

【主催】生活保護問題対策全国会議
【共催】東海生活保護利用支援ネットワーク、反貧困ネットワークあいち

【問合先】
〒530-0047大阪市北区西天満3-14-16西天満パークビル3号館7階
あかり法律事務所弁護士小久保哲郎(事務局長) TEL 06(6363)3310
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2010年06月27日

日弁連が、無料低額宿泊所などの問題で厚労省に意見書を出しました

100618「無料低額宿泊所」問題に関する意見書(日弁連).pdf
藤井です。

 日弁連が、6月18日付で、厚労大臣宛に意見書を出しました(メールで流されてい
ます)。ホームページからとったものを添付します。

 厚労省は、「無料低額宿泊所」といわれている宿泊所を社会福祉法にいう第2種施
設としてきたし、他の宿泊諸施設も「無届け」施設としてきたが、法の解釈を誤って
おり、これらは第1種施設であり、認可を必要とするものであることを中心に述べて
います。当面どうすべきかも書かれています。
 非常に大きな問題です。

 読むと納得できました。私は、この線で行政に働きかけていくべきと思いました。
 どんどん広めましょう。
posted by あいちのネットワーカー at 10:05| Comment(0) | 政策提言&施策活用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月29日

年末緊急職業相談・総合労働相談のご案内(名古屋市外)

名古屋市外でも年末相談が行われます。市外の方に紹介ください。
http://www2.aichi-rodo.go.jp/topics/docs/09-12-22-1.pdf

年末緊急職業相談・総合労働相談のご案内(愛知労働局)
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年末緊急職業相談・総合労働相談のご案内(名古屋市内)

愛知県 年末緊急労働出張相談の実施について(愛知労働局)
http://www.pref.aichi.jp/0000029105.html

平成21年12月22日(火)発表
年末緊急労働出張相談の実施について

平成21年12月29日(火)、30日(水)に、中日ビル11階キャリアアップハローワークあいちの一角で「年末緊急労働出張相談」を開催します。
続きを読む
posted by あいちのネットワーカー at 09:55| Comment(0) | 政策提言&施策活用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする