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1.報告
シリーズ2010 第2回学習会 クレサラ(多重債務)問題
ゲスト:花井泰子氏 (岐阜市消費生活センター消費生活相談員)
共催:ぎふ反貧困ネットワーク,反貧困ネットワークみえ,第30回全国クレサラ・ヤミ記に被害者交流集会IN岐阜現地実行委員会
後援:西濃れんげの会,岐阜れんげの会,東濃しでこぶしの会,三重はなしょうぶの会,愛知かきつばたの会
2.案内
第3回学習会(2010年10月25日 19時〜)
内容:子どもの貧困
場所:愛知県司法書士会館
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1.報告 【開催済】
日時:2010年8月31日(金) 19時05分〜21時05分
場所:岐阜市文化センター
参加:54名
※参加者数には,ゲストの花井泰子さんも含まれています。
司会:井上聡
(1)開会挨拶
樽井直樹(主催 事務局長)
<概要>当会は,東海では岐阜,三重に次いで設立されました。08年9月以降の世界同時不況下,派遣切りされた人のため相談活動をしてきた派遣村活動が出発点となりました。貧困解決にはつながることが重要です。そのなかで学習会は大きな意義をもちます。今回の「クレサラ問題」は,従来,消費者被害として取り組まれてきました。最近になって「貧困」の観点から取り上げられるようになりました。クレサラ運動から学ぶべきは「被害者の運動」です。今学習会を機に11月「交流集会」を盛り上げていきましょう。
第1部 岐阜の現状と取り組み
(2)体験報告
岐阜れんげの会の方
<概要>
3年前,ある議員さんに教えてもらい,れんげの会にきました。当初,破産を覚悟していました。借金は570万円,月額返済は23万円,給与は25万円でした。サラ金とのつきあいは20年以上です。れんげの会では裁判所への書類などを会員が全て自ら作成します。私も,教えてもらいながら,作成しました。計算すると,650万円の過払金があり,うち600万円が戻ってきました。業者は,取立時は厳しかったですが,過払金返還の時は「何とかならないか」と言ってきました。
サラ金に手をつけたのは,遊びを覚えたことがきっかけでした。その時はきちんと返しました。その後,順風満帆だった仕事が傾き,給与が半分に。給与が減るのと並行して借金が増え,給与とほぼ同額になりました。
死ぬ気で会に入り,最終的に借金はなくなりました。ありがたいです。今は自営のため借金をしています。しかし,これは銀行からの借り入れで,実になる借金です。 自分自身のことを振り返ると,借金のほとんどの原因は見栄だったように思います。給与が下がったら,生活も下げないといけません。会員の方も,皆さん,この点でとても苦しんでいます。もちろん,実際にもうこれ以上,下げられないという方もおられます。でも,私自身については,生活を下げることができなかった見栄が原因だったと今では思っています。
ありがとうございました。
(3)岐阜市での多重債務の現状と取り組み
花井泰子氏(岐阜市消費生活センター消費生活相談員)
<概要>
平成11年から岐阜市消費生活センターで消費生活の相談員をしています。場所は,JR岐阜駅東側「ハートフルスクエア」です。今年11月,クレジット・サラ金の全国交流集会が岐阜市であり,うち一つの分科会を,岐阜市が共催で運営します。平成18年,名古屋・大須でシンポジウムがあり,応援のため参加したのがこの問題に取り組む一つのきっかけでした。シンポジウムで,被害者の方の体験談を聞きました。一人一人の多重債務者を救い,その方々が自立した生活を営めることが,岐阜市のメリットになると考えました。自立した生活により,滞納していた健康保険料,年金も支払えるようになるからです。岐阜市の相談件数は平成18年から増えました。多重債務相談の約7割が法的整理につながっています。相談者の同意を得て,弁護士のクレサラ相談に同席しました。そのとき感じたのは,事業者と消費者との間で情報や交渉力に格差があるように,相談者と弁護士との間にも同じような格差があることでした。弁護士は丁寧に,リスクを含めて話しますが,相談者は,
限られた時間内では話を聞いてもらえないと感じます。同じ頃,金融庁が多重債務問題改善プログラムの手引を作りました。それを参考に,岐阜市独自の相談カードを作りました。平成19年,弁護士会と協定を結び弁護士を紹介するシステムを作りました。これによって受任率がぐんと上がりました。相談の電話があると,会って丁寧に話を聞きます。これによって,相談者は整理することで楽になると考えられるようになります。弁護士との相談は,初回無料に,そして,後払い,分割払いができるようになりました。扶助の必要な人には法テラスを紹介しました。相談後,不安からか,あるいは弁護士さんに聞きにくいのか,センターに電話をかける人もいます。そういうときは,話を聞いて,弁護士に問い合わせをしたりもします。本人の目の前で予約を入れる,ということも大事です。そうすれば,相談に行くのをやめよう,という気持ちが薄れるのを防ぐことができるからです。今後は,庁内の福祉,徴税等の関連部署とも連携し,理解しながら相談活動になおいっそうとりくみたいと思います。
第2部 多重債務の歴史と活動
(4)日本の多重債務と反貧困運動 大山小夜(金城学院大学)
<概要>
多重債務は,お金の問題だけでなく,問題を抱えることで家族など周囲の人との関係が希薄になり,孤立し,問題を解決する力を失っていく。解決のためには,外部からの介入と支援が不可欠である。多重債務者「被害者の会」と,法律家等からな専門職組織はこうした介入と支援に役立ってきた。一方,問題を予防するためには抜本的な法改正等が必要である。多重債務者と専門職は,各地で連携し,各方面に働きかけ,法改正のための運動をしてきた。06年改正貸金業法,08年特定商取引法及び割賦販売法改正,09年消費者庁設置はその成果の一部である。やがて,彼らは「多重債務という山の向こうに貧困という新たな山」をみつける。多重債務運動で培った方法や関係を基に,反貧困へと運動を拡大する。30周年を迎える今年11月の全国交流集会では,多重債務,自殺,貧困の問題が扱われる予定である。11月は岐阜で再会しましょう!
水谷英二氏(愛知県司法書士会,第30回全国クレサラ・ヤミ金被害者交流集会IN岐阜現地実行委員会事務局長)
<概要>
1994年,全国交流集会を名古屋で開催するにあたり,地元に被害者の会がない。これではいけない,ということでかきつばたの
会が作られた。以来,その世話役をしている。近年は,東海生活保護利用支援ネットワーク事務局,追い出し屋対策会議事務局など,貧困
問題により多くかかわるようになった。多重債務の解決策はいろいろある。過払金返還請求は,そのうちの一つでしかない。しかも法的な
解決は,さまざまな問題の解決のごく一部でしかない。今,新人の法律家が駆け込むように,過払金返還請求などをやっている。過払金返
還請求だけでは解決にならない。いろいろな立場の人とつながり,問題を広く,深く捉え,解決することが大事である。
<第30回全国クレサラ・ヤミ記に被害者交流集会IN岐阜現地実行委員会より>
委員長 鷲見和人氏 (岐阜県弁護士会)
今回の集会では,県の全自治体の後援を得た。岐阜市と共催で行政の取り組みについて議論する。岐阜県の多重債務対策のなおいっそう
の充実の弾みにしたい。
事務局次長 小山哲氏(岐阜県弁護士会)
クレサラ問題との出会いは,弁護士になったばかりの頃,滋賀県でおこなわれた全国交流集会に,赤星氏に誘われ,参加したことにさか
のぼる。岐阜の反貧困の活動を支援し,現在は,11月集会にも関わっている。
被害者の会 赤星守雄氏(西濃れんげの会)
被害者の会として,現地実行委員会にかかわる。20数年間,ずっと裁判所に通ってきた。これからも通う。
※上記交流集会のスタッフ募集中!
関心のある方は,本MLか,大山saya@kinjo-u.ac.jpまで。
第3部
リレー報告
(6)三重の取り組み
村田直樹氏(反貧困ネットワークみえ事務局長)
反貧困ネットワークみえを今年立ち上げた。現在,仲間を増やしている。関係の貧困を解消したい。多重債務については「常識」を広めた
い。すなわち,「返せない。ならばそれ以上返すことはできないし,返す必要はない」。命に代わる借金はないからである。
(7)岐阜の取り組み
小林明人氏(ぎふ反貧困ネットワーク世話人)
「結」は平成21年2月に結成された。派遣切りが横行するなか,失業者救済のため,一定期間だけ行う予定だった。生活保護など利用しや
すい安全網を積極的に活用し、弁護士による申請同行も行ってきた。「結」は,数ヶ月の予定だったが今も続いている。課題の一つは,運営
資金のため知名度を上げること。もう一つは,現在,事務所の立ち退きを迫られており,どこで行うか,ということ。皆でつながり,活動して
いきたい。
(8)その他
伊藤謙太郎氏(反貧困ネットワークあいち会員)からご発言,
中日新聞・白井康彦氏からご挨拶をいただきました。
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2.案内 【次回学習会】
第3回学習会
内容:子どもの貧困
日時:2010年10月25日(月) 19時〜
場所:愛知県司法書士会館
共催:募集中!
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■ 今後の学習会
第4回 ホームレス
12月頃
共催 越冬実行委員会
第5回 反貧困での全国連携
2011年2月初旬頃
第6回 在日外国人の諸問題
4月頃
共催 移住連全国フォーラム実行委員会
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学習会のテーマ等に関して,アイデア等ございましたら
本ML(member-ml@hanhinkon-aichi.net)までお寄せ下さい。